「動画を1本つくる」と聞くと、台本づくり・素材集め・ナレーション録音・編集ソフトでの組み立て……と、いくつもの工程を思い浮かべます。ところが Claude Desktop に スキルパック を導入すると、この一連の流れの大部分をAIにまとめて任せることができます。
この学習編では、実際に手を動かす前に「なぜ動画がAIだけで組み上がるのか」という仕組みを俯瞰します。個々のサービス名には踏み込まず、どんな部品が組み合わさっているのかを理解するのがねらいです。
このシリーズ(Claude Code を学ぶ)
- 基礎 ― 全体像と拡張機能の地図
- Skills(学習編)― 繰り返す手順を覚えさせる
- Skills(実践編)― 作って、つまずいて、直す
- Subagents(学習編)― 作業を別の文脈に切り出す
- Subagents(実践編)― 温泉宿を調べて比較する
- Hooks(学習編)― 特定のタイミングで自動実行する
- Hooks(実践編)― 編集したら自動でチェックを走らせる
- MCP(学習編)― 外部サービスへの接続口
- MCP(実践編)― Google ドライブ連携でつまずいた話
- Plugin(学習編)― 作った部品をひとつの箱にまとめる
- Plugin(実践編)― 便利設定を箱に詰めて配る
- Marketplace(学習編)― 箱を並べて配る
- Marketplace(実践編)― お店に公開し、取り込む
- 番外編 ― 拡張機能の選び方チートシート
- 拡張編① Agent Teams(学習編)― 複数のAIをチームで動かす
- 拡張編② Agent Teams(実践編)― 3人チームで多角的にレビューする
- 「これ実行していい?」が毎回つらい ― 権限モードと許可のバイパス
- マネジメント層のためのデスクトップアプリ入門 ― 非エンジニアのClaude Code
- API活用をスキル化する(学習編)― 反復作業を手順書にして再現する
- API活用をスキル化する(実践編)― タスク登録の流れを丸ごと再現する
- AIに動画をつくらせる(学習編)― スキルパックと外部APIの仕組み(この記事)
- AIに動画をつくらせる(実践編)― スキルパックで動画を1本つくる
- Planモードと /goal(学習編)― 先に計画・完了条件で自走
- Planモードと /goal(実践編)― ストップウォッチで試す
- ルーチン(学習編)― 定期的な確認作業をAIに任せる
- ルーチン(実践編)― 朝の確認作業を自動化する
「スキルパック」とは
これまでの記事で、スキルは「決まった手順をAIに持たせる手順書」だと説明しました。スキルパックは、その手順書をひとつの目的のために束ねたセットだと考えてください。動画づくりのスキルパックには、「テーマから台本を組み立てる」「場面ごとの画像を用意する」「ナレーション音声をつくる」「それらを1本の動画に並べる」といった手順が、あらかじめまとめて入っています。
導入は、このスキルパック(実体は .claude フォルダ)を作業フォルダに置くだけ。あとは Code タブから「◯◯の動画を作って」とお願いすれば、パックの中の手順が順番に動き出します。
動画が組み上がるまでの流れ
スキルパックが内部でやっていることを、大きな流れに分けると次のようになります。
| 工程 | やること | 使う部品 |
|---|---|---|
| ① 台本・構成 | テーマから場面(シーン)を組み立てる | AI本体 |
| ② 画像づくり | 各シーンに合う画像を生成する | 画像生成API |
| ③ 音声づくり | ナレーションを音声に合成する | 音声合成API |
| ④ 組み立て | 画像・音声・字幕を1本の動画に並べる | 動画組み立ての仕組み(Remotion) |
ポイントは、①はAI本体が担い、②③は"外部の専門サービス(API)"に頼み、④は動画を組み立てる仕組みが受け持つという分担です。ここでいうAPI(外部サービスを呼び出すための窓口)とは、画像づくりや音声づくりを専門に引き受けてくれる別サービスのことだと考えてください。AIが全部を一人でやるのではなく、得意な部品に仕事を振り分けているイメージです。
用意するもの ― 3つの部品
- スキルパック本体(
.claude)——作業フォルダに置く手順書のセット。 - 外部APIの合鍵(キー)——画像生成・音声合成のサービスを使うための鍵。
.env(設定値をまとめて書いておくファイル)に記入します。 - 動画組み立て用の実行環境(Node.js)——動画への書き出しに必要になる場合があります。
コストと、向いている用途
画像生成や音声合成の外部サービスは、多くが使った分だけ課金される仕組みです。動画の長さや画像の枚数によって費用は変わりますが、1本あたり数十円程度から始められるケースが一般的です。まずは少額をチャージして、感覚をつかむところから始めるとよいでしょう。
向いているのは、解説動画・紹介動画・お知らせ動画のように「ナレーション+場面ごとの静止画」で成立するタイプです。凝った実写編集より、数をこなしたい定型の動画ほど恩恵が大きくなります。
▶ 実践編につづく
次回は実際に動画を1本つくります。スキルパックの配置、APIキーの設定、そしてCodeタブで「◯◯の動画を作って」と指示してから書き出しまでの対話の流れを、順番に確かめます。
AIに動画をつくらせる(実践編)― スキルパックで動画を1本つくる →まとめ
- スキルパックは、動画づくりの手順を束ねたセット。
.claudeを作業フォルダに置いて使う。 - 動画は ①台本(AI)→②画像(画像生成API)→③音声(音声合成API)→④組み立て(Remotion) という分担で組み上がる。
- 用意するのは スキルパック本体・外部APIの鍵(
.env)・(必要なら)Node.js の3点。 - 外部サービスは使った分だけ課金。まずは少額から。
- ナレーション+静止画で成立する定型の解説・紹介動画と相性が良い。