長い作業を頼んでいると、だんだん Claude の返事がちぐはぐになり、最初に伝えた前提を忘れる——そんな経験はないでしょうか。Subagents は、まさにその“息切れ”を防ぐための仕組みです。第4回は Subagents(サブエージェント) を扱います。
このシリーズ(全13回+番外編・拡張編)
- 基礎 ― 全体像と拡張機能の地図
- Skills(学習編)― 繰り返す手順を覚えさせる
- Skills(実践編)― 作って、つまずいて、直す
- Subagents(学習編)― 作業を別の文脈に切り出す(この記事)
- Subagents(実践編)― 温泉宿を調べて比較する
- Hooks(学習編)― 特定のタイミングで自動実行する
- Hooks(実践編)― 編集したら自動でチェックを走らせる
- MCP(学習編)― 外部サービスへの接続口
- MCP(実践編)― Google ドライブ連携でつまずいた話
- Plugin(学習編)― 作った部品をひとつの箱にまとめる
- Plugin(実践編)― 便利設定を箱に詰めて配る
- Marketplace(学習編)― 箱を並べて配る
- Marketplace(実践編)― お店に公開し、取り込む
- 番外編 ― 拡張機能の選び方チートシート
- 拡張編① Agent Teams(学習編)― 複数のAIをチームで動かす
- 拡張編② Agent Teams(実践編)― 3人チームで多角的にレビューする
Subagents とは ― 別の「作業担当」を切り出す
Subagents は、メインの会話とは別の「作業担当」を切り出す仕組みです。各サブエージェントは、独立したコンテキスト(作業領域)・独自のツール権限・独自の指示を持ちます。会議でいえば、本会議とは別室で作業する担当者を立てるイメージです。
なぜ必要か ― 「コンテキストが埋まる問題」
Claude の作業領域(コンテキスト)には上限があります。長時間1つの会話で調査・執筆・修正を続けると、そこが情報でいっぱいになり、最初のほうの内容が押し出されて忘れられていきます。冒頭で感じた“息切れ”の正体はこれです。
解決策は単純で、重い作業を別の部屋でやらせること。たとえば「調査担当」を別エージェントとして立て、Web 調査はその部屋でやらせ、結果の要約だけをメインに返してもらう。すると、調査で開いた大量のページの中身でメインが埋まらず、本筋はきれいなまま保てます。「一人の万能選手に全部やらせるのではなく、専門家を雇う」発想です。
カスタムサブエージェントの作り方
カスタムのサブエージェントは、.claude/agents/(プロジェクト用)または ~/.claude/agents/(全体用)にマークダウンで置きます。先頭のフロントマターで各種設定を指定します。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
name | エージェントの名前 |
description | どんなときに使うか(自動委任の判断材料) |
tools | 使えるツール(権限を絞れる) |
model | 使うモデル(軽い作業は haiku など) |
mcpServers | 接続する MCP サーバ |
最初から使える「組み込みサブエージェント」
自分で作らなくても、最初から動いている組み込みのサブエージェントがあります。
- Explore 高速・読み取り専用(軽量モデルの Haiku で動作)。「Xはどこにある?」といった探しもの向き。
- Plan 実装前の段取り(作業の進め方の設計)を考えるときに使われる担当。
- General-purpose フルにツールを使える主力。複雑な委任タスク向き。
- claude-code-guide Claude Code 自身の使い方を公式ドキュメントから調べてくれる案内役。
▶ 実践編につづく
次回は、上の research-assistant のような調査担当に「温泉宿をいくつか調べて比較して」と頼みます。大量のWeb調査がメインの会話を埋めず、比較表だけがきれいに返ってくる——コンテキスト分離の効果を、目で見て確かめます。
まとめ
- Subagents は独立した文脈・ツール権限・指示を持つ「専門の作業担当」。
- 狙いはコンテキストを埋めないこと。重い調査や探索を切り出し、要約だけ受け取る。
.claude/agents/にマークダウンで定義。組み込みの Explore / Plan などもそのまま使える。