「コードレビューのたびに、同じ200語のプロンプトをどこかからコピペしている」。そんな心当たりはありませんか。Skills は、その“貼り直し作業”を一度きりで終わらせる仕組みです。第2回は、4つの部品の最初の一歩 Skills を扱います。
.md ファイル1枚に保存しておき、必要なときだけ呼び出せる」仕組み。毎回貼り直す手間が消え、しかもコンテキスト(作業領域)も圧迫しません。
このシリーズ(全13回+番外編・拡張編)
- 基礎 ― 全体像と拡張機能の地図
- Skills(学習編)― 繰り返す手順を覚えさせる(この記事)
- Skills(実践編)― 作って、つまずいて、直す
- Subagents(学習編)― 作業を別の文脈に切り出す
- Subagents(実践編)― 温泉宿を調べて比較する
- Hooks(学習編)― 特定のタイミングで自動実行する
- Hooks(実践編)― 編集したら自動でチェックを走らせる
- MCP(学習編)― 外部サービスへの接続口
- MCP(実践編)― Google ドライブ連携でつまずいた話
- Plugin(学習編)― 作った部品をひとつの箱にまとめる
- Plugin(実践編)― 便利設定を箱に詰めて配る
- Marketplace(学習編)― 箱を並べて配る
- Marketplace(実践編)― お店に公開し、取り込む
- 番外編 ― 拡張機能の選び方チートシート
- 拡張編① Agent Teams(学習編)― 複数のAIをチームで動かす
- 拡張編② Agent Teams(実践編)― 3人チームで多角的にレビューする
Skills とは ― 「繰り返す手順や知識」を覚えさせる
Skills は、Claude に「繰り返し使う手順や知識」を覚えさせておく仕組みです。中身はマークダウン(.md)のテキストファイル1枚で、.claude/skills/ というフォルダに置きます。
冒頭の200語プロンプトの例で言えば、その文章を SKILL.md に一度書いておくだけ。以降は「このコンポーネントをレビューして」と頼むだけで呼び出せます(/review-component のように名前で直接呼ぶこともできます)。Excel のマクロ(操作の登録ショートカット)に近いイメージです。
「ただのテンプレ」と何が違うのか
「それ、メモ帳にテンプレを置くのと同じでは?」と思うかもしれません。違いは次の2点で、ここが Skills の“納得どころ”です。
1. オンデマンド読み込み ― 抱え込まないから軽い
スキルの中身は、必要になった瞬間に初めて読み込まれます。手順書を100個用意しても、普段 Claude が見ているのは「目次」だけ。使うときに該当ページだけを開きます。だから数を増やしても、Claude の作業領域(コンテキスト)が圧迫されず、本来のタスクに集中できます。テンプレを全文プロンプトに貼る方式だと、この“常に抱え込む重さ”から逃れられません。
2. 自動起動 ― 呼ばなくても気づいてくれる
/コマンド で明示的に呼ぶだけでなく、タスクの内容にマッチすれば Claude が自分で判断して呼び出します。「このコンポーネントをレビューして」と頼むだけで、「これはレビュー用スキルの出番だ」と気づいてくれる。テンプレは自分で探して貼る必要がありますが、Skills は向こうから出てきます。
SKILL.md の書き方 ― フロントマターが肝
ファイル先頭の「フロントマター」(--- で囲んだ設定欄)で、名前や説明を指定します。最小構成はこれだけです。
どこに置くか ― プロジェクト用と全体用
| 置き場所 | スコープ | 使いどころ |
|---|---|---|
.claude/skills/ | そのプロジェクト限定 | このリポジトリ特有のレビュー基準・命名規則など |
~/.claude/skills/ | 自分の全プロジェクト共通 | 個人的に毎回使う定型作業 |
.claude/skills/ に置くのが推奨スタイルになっています。古い記事で「カスタムスラッシュコマンド」を見かけても、今は Skills として読み替えて問題ありません。
▶ 実践編につづく
次回は、この Skills を実際に作って動かします。題材は「今日の最新AI・テックニュースを収集し、要点だけ日本語でまとめて表示する」スキル。description の書き方で自動起動がどう変わるかを、手を動かしながら確かめます。
まとめ
- Skills は繰り返す手順・知識を手順書(.md 1枚)にして覚えさせる仕組み。貼り直しが消える。
- テンプレと違い、オンデマンド読み込みで軽く、自動起動で向こうから出てくる。
- 精度を左右するのは
description。「いつ使うか」まで具体的に書く。